2017/07/08

今週の主な材料(7月10日~14日)

今週の主な材料(7月10日~14日)

主要国の金融政策の違いが為替相場の変動要因。最近は量的緩和の縮小や利上げできる国の通貨は上昇、逆にできない円は弱いという、比較的わかりやすい流れが続いています。今週は、イエレンFRB議長の議会証言、カナダ中銀の金融政策と、FRB関係者はもちろんのこと、カナダ中銀、BOE関係者の発言が重要です。

イエレンFRB議長の議会証言に関しては、7日にFRBは議会に対して半期に一度の金融政策レポートを既に提出しており、この内容に沿った発言になることが予想されます。以下はローター等の報道から抜粋したのもですが、FRBのバランスシートの縮小や追加利上げの期待は裏切られそうにありません。

『米経済は着実に拡大を続け、雇用情勢は引き続き改善。投資や消費者信頼感は健全な状況にあり、金融市場に目立ったリスクの兆候はみられない。ただし、長期債の利回り急上昇やMMFによる国債・政府機関債への売りなど、債券市場を巡るリスクには言及しています』

『株価が最高値圏で推移し、金利や信用状況がなお緩和的な状態にあるものの、社債を含む債券市場には流動性の逼迫を示す兆しは存在せず、資産価値の上昇が問題を引き起こす兆候も確認されず』

『米金融システムの脆弱性は総じて控えめな水準にとどまる。多岐にわたる資産のバリュエーションに対する圧力や投資家のリスク選好度を示す複数の指標は一段と高まったものの、資産市場の動向はレバレッジの高まりを伴っていない』

『第1四半期のGDP伸び率とインフレ率は鈍化したが、消費者信頼感は引き続き堅調。企業の投資は持ち直し、住宅市場も緩やかな改善。最近の国外での堅調な動向が米経済成長への追い風となっている』

『生産性の低調な伸びが「ニューノーマル(新標準)」となる可能性を長期的な問題と指摘。賃金が依然低調な伸びにとどまっている一因となっている可能性がある』

次は、ボロズ、ウィルキンス両氏のタカ派発言から急伸しているカナダドルは、先週末の強い雇用統計でさらに勢い図いています。今週のカナダ中銀の金融政策は政策金利0.5%の据え置きが予想されていますが、声明文はどうなのでしょうか? また、ボロズ、ウィルキンス両氏の発言も予定されており、目が離せません。

そして、カーニーBOE総裁のタカ派発言からやや曇りがちな弱い英経済指標が続いていますが、今週の英雇用統計はILO失業率の予想は4.6%で変わらず、平均賃金の伸びが問題になりそうです。その前日にハルデーンBOE・チーフエコノミスト、ブロードベントBOE副総裁講演もありそちらがキーになる可能性もあります。

重要なイベント
1.【イエレンFRB議長の議会証言(下院7/12)&(上院7/13)
2.【カナダ中銀金融政策(7/12)】
3.【ボロズ・カナダ中銀総裁、ウィルキンス・カナダ中銀副総裁の記者会見(7/12)】
4.【英雇用統計(7/12)】
5.【ハルデーンBOE・チーフエコノミスト、ブロードベントBOE副総裁講演(7/11)】

米経済指標
1.【米CPI&小売売上高&鉱工業生産&企業在庫&ミシガン大消費者信頼感(7/14)】
2.【米PPI&新規失業保険申請件数(7/13)】
3.【米ベージュブック(7/12)】

FRB関係者発言
1. 【ウイリアムズSF連銀総裁(7/10)】
2. 【ウイリアムズSF連銀総裁、ブレイナードFRB理事講演、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演(7/11)】
3. 【ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演(7/12)】
4. 【エバンズ・シカゴ連銀総裁、ブレイナードFRB理事講演(7/13)】
5. 【カプラン・ダラス連銀総裁講演(7/14)】

その他
1.【中国CPI&PPI(7/10)】
2.【中国貿易収支(7/13)】


詳しくは別表をご覧ください。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

X