2017/07/21

為替相場の事情は複雑

為替相場の事情は複雑

金利相場で、利上げと利上げできる国の通貨高、結局のところEURの一人勝ち。利上げできない円売りの構造は変わらず。ただし、円ショートが膨らみ過ぎていることと、米中包括経済対話が物別れ気味で終了し、日米貿易問題が次の焦点になるリスクにショートカバーも気になります。

米国では、ロシア疑惑がさらにエスカレートし、トランプ氏陣営とロシアとのつながりを捜査しているモラー特別検察官は、捜査の対象を拡大し、トランプ氏や関係者のビジネスに関わるさまざまな取引について調べているとの報道が一時ドル売りを招き。また、オバマケア代替法案の行方は引き続き不透明で、トランプ氏は上院議員の夏休み返上で法案を通せと激を飛ばす。

英国では、メイ首相は閣僚との対立が表面化するなか支持率は34%まで低下(どこかの国と似ています)。また、2回目となる英国とEUとの離脱協議では、英国在住のEU市民の扱いで意見が一致できず具体的な進展は見られず。分担金は英国主張を次回に確認へ。

フランスでは、マクロン大統領が軍事支出を850億ユーロ削減したことで、軍の最高責任者は辞任するなど、大統領就任後の最大の危機とささやかれている。

ユーロ圏では、ドラギECB総裁が「ECBは秋に決定を下す」と、9月、10月のECB理事会が焦点になりそうで、タカ派発言でEURは急伸しているが、過敏な反応に対して「テーパリングのシナリオ、議論されていない」と火消しに動きくも動き出したEUR買いは止まらず。一部報道ではドラギ総裁はハト派的発言を意図していたのでは? とも。

南ア中銀は予想外に政策金利を7.0→6.75%に引き下げを予想外に実施。クニャカゴSARB総裁は、ZARは格下げリスクに依然さらされていると警告。

トルコでは、ドイツ外務省が国民に対しトルコへ渡航する際はより慎重に行動するよう呼び掛けている。トルコでドイツ国民が拘束されるケースが発生し、一部ではドイツ領事館へのアクセスが与えられないケースがあるらしい。