2016/04/03

2016年4月3日(日曜) 今週の為替相場を考える(4月4日~4月8日)

2016年4月3日(日曜) 今週の為替相場を考える(4月4日~4月8日)

イエレンFRB議長のハト派発言で始まった先週の為替相場はドル売りへと動き、強い米雇用統計にドルの買い戻しが見られるが、ドル売り傾向は変わらず。新年度は日銀短観が弱すぎるというおまけ付の円高相場からスタートへ。

米金利は低下し、日本を除く世界的な株高傾向は止まらず。原油価格の上げ止まり感にも、一時期のような悲観論も見られず、商品相場の関連性が高いAUD+NZD+CADは上昇傾向が続く。

そのような情勢の中、4月の新年度はスタートした日本。7月の参議院選(または、衆参同時選挙)を前にして、日銀の追加緩和策を期待する声は強く、5月26~27日の伊勢志摩サミットで海外に景気対策を示すことのへの期待感が、潜在的に高まっている。

追加緩和で、日本株を下支えし、円安傾向が復活することへの期待感は根強いものの、その期待感とは裏腹に円安への動きは弱く円高傾向が続く現実の為替相場。新興国株や中国株でさえ年初来の高値を更新し、強気な株価の動きに大きな変化は見られず。

イエレンFRB議長の口から、追加利上げを強く示唆する発言が聞こえるまでは、積極的にドルを買うこともできず、米2年債、10年債利回りの低下を見る連れ、4月の新年度入りの為替相場は、過度のドル高期待が薄らいでくる。いや、逆の流れが心配になっている。

昨今のUSDJPYの下落にも関わらず、クロスでは円売り圧力が続き、引き続きベストチョイスはクロスでの円売り。

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【EURUSD 予想1.1250~1.1500】
先週は5日間連騰。イエレンFRB議長のハト派発言に後押しされ、1.11台をボトムに1.1350を超え、ドル売りの流れをリードし1.14台まで続伸。結果的に見れば昨年10月以来の高値水準へと上昇し、1.1250~1.1300のボトム感が強まっている。それまで続いた続落の流れは一変し、四半期末の影響もあるのか不明ながら、強い米雇用統計にも大きな変化は見られず、EURGBPが0.80へ続伸するなど、底堅さが感じられる。

 【GBPUSD 予想1.4100~1.4400】
他の主要通貨と同じく、先週はイエレンFRB議長のハト派発言に買いへと変化しながらも、1.45の大台を達成できず、強い米雇用統計で逆に1.42割れまで下落。EURGBPが0.80の大台へ上昇、GBPAUDが1.85近くへと続落するなど、6月23日の国民投票への不安感にどうしてもロングを長期間維持できず、ドル安相場の中で、GBPUSDのストレートで上昇を維持できずにいる。最近のDailyの値動きでは底値が切り上がり、上値が切り下がる状態が続き、いずれ上下動く、大きな変動になることを期待したい。

【AUDUSD 予想0.7500→0.7800】
他の主要通貨と同じく、先週は0.7500をボトムにイエレンFRB議長のハト派発言に買いへと変化しながらも、0.7700の上値は重い。原油価格の下げも影響もあるのか、3日連続で0.7700 の水準を高値に跳ね返されている。また、週末の強い米雇用統計にも下げ幅は0.7600と限定的で、強さを維持している通貨ペアの一つで、200日MAを上抜けし上昇傾向に変わりない。

【USDJPY 予想111.00~114.00】
どう表現をしたらいいのであろうか? 3月中旬の110円台をボトムに113.50円を超えながらも、イエレンFRB議長のハト派発言にドル全面安と変化し、USDJPYでもドル売りへと変化。先週は弱い米雇用統計もあるが、弱すぎる日銀短観に、日本株安+円高(含むクロス)と激しい円高に111.60円近くまで下落した。しかし、7月の選挙、5月のサミットへ向けた動きは、景気対策の必要性を示し、積極的に円買いを継続することもできないのでは? 結局のところ110~115円の5円幅の大きなレンジ相場の継続と思えるが?