2016/04/10

今週の為替相場を考える(4月11日~4月15日)

2016年4月11日(日曜) 今週の為替相場を考える(4月11日~4月15日)

期末・期初から始まった激しい日本の株安+円高相場は、約2週間続いている。先週の変動率を見れば、円高が市場をリードしていることは間違いなく、USDJPYが3.18%下落、AUDJPYが4.81%下落、NZDJPYが4.47%下落している。

当初は原油価格(WTI)の下落によるリスク回避のパターンかと思われたが、原油価格が上昇しても、麻生財務相が「場合によっては為替相場について必要な措置を取る」と発言しても、円買いの流れに大きな変化は見られず。

週末の17日(日曜)カタールのドーハで開催予定の、「原油産出量の増産凍結を目指す産油国会議」の結果は非常に重要で、イランが同意するのか?その思惑で原油価格が動き→株価が変動し→為替が変動する可能性は極めて高い。

2月26~27日の上海G20で、通貨安に釘を打たれたと思われる中国と日本。それ以後は115円台を上回ることもなく、米金利は軟調に推移し、欧州・米国・新興国の株価は年初来の高値を更新する中、日経平均株価は伸び悩み、現在に至っている。

さすがに、短期間で113円台→107円台まで円高が進んだことで、財務相や官房長官は警戒信号を発するも、安倍位首相は「通貨安競争を絶対回避」と公言していることで、市場は円高が容認できる限界点を試す動きを強まることも考えられる。

他の主要国通貨を見ると、全体的にはドル売り傾向となっているが、6月23日の国民投票を控えたポンドは弱く、対ポンドクロスで続落し、特にGBPJPYは過去2週間で162→152円と10円近く下落し弱さが目立つ。

ファンダメンタルズはさておき、テクニカルで強気の円高へと変化した円相場。3週目に突入しさすがに行き過ぎ感は強く、自律的な反発と原油価格の急騰の以外に、円安相場に戻すには一体何がそのきっかけになるのであろうか?

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【EURUSD 予想1.13000~1.1450~1.1500】
底値を切り上げて2週連続し1.14台まで上昇するも、週終値ベースで1.14台は達成できず。大枠では長期間1.0500~1.1500のレンジに入り、中期では1.1300~1.1450のレンジでの取引が続き、移動平均線も1.1380近辺に収束し始めている。テロへの恐怖と難民流入、英国のEU離脱の可能性など潜在的なマイナス要因が多数存在しながらも底値を切り上げているのを見ると、そろそろレンジの上限を抜けるのではとの期待感を強めたくなるが、週末のドーハ会議の結果次第になりそうである。

【GBPUSD 予想1.3800~1.4400】
ドル売り圧力が強まる傾向の中でも、6月23日のEU離脱を問う国民投票のリスクに売り圧力が払しょくできない状態が続いている。14日のBOE金融政策決定会合は現状維持の可能性が高く相場への影響は考えにくい。3月上旬から続く1.4000~1.4500の500ポイントのレンジでの推移が繰り返される可能性が高いが、GBPJPYを筆頭にEURGBPやGBPAUDなどポンド売り傾向が続き、GBPUSDは下限を試すリスクは残っている。

【AUDUSD 予想0.7400→0.7700】
原油価格が35~40ドルで安定するのか、それとも40ドルを上抜け50ドルまで上昇するのか、週末のドーハ会議の結果で方向性が変わってくる。0.7300を超えてからはテクニカルでは上昇トレンドへと変化しているが、0.7700台の上値の重さが感じられる。原油価格に大きな変化がなければ、中国経済指標の改善も期待でき、14日の豪雇用統計によるリスクは残るが0.7400をボトムにして上昇傾向は変わらず。

【USDJPY 予想105.00←107.50~111.50】
予想外の株安+円高に驚きを隠せない。110円の大台を2回めですんなりと割り込み、105円の次のポイントを狙うような動きとなっている。USDJPYの大相場の原則は、クロスでも強い大きな動きが加わることだが、今回はGBPJPYの売りを筆頭にして、主要通貨で円は全面高となり、USDJPYの売りに拍車をかけている。

2週間近く続いた円買いも、麻生財務相の発言もあり108円台でようやく下げ止まったようにも見えるが109円台で再び売り変化。今週も108円割れの水準をボトムにできれば、やや円高ムードに変化が生じる可能性もあるが、それを期待するには、原油価格の上昇+株高+米金利の上昇が必要になってくる。

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