2016/07/21

2016年7月21日(木曜)欧州・米国市場序盤は、黒田日銀総裁の以外な発言に円急落。

2016年7月21日(木曜)欧州・米国市場序盤は、黒田日銀総裁の以外な発言に円急落。

欧州株は総じて下落、米株はマイナスからスタート、米10年債利回りは1.61%と上昇、原油価格(WTI)は45ドル台前半で推移。

為替市場は、黒田日銀総裁がBBCラジオで、「マイナス金利導入はリスクを予防、モメンタム維持」といつもながら円売りを期待させる発言と、「ヘリコプターマネー、必要性も可能性もない」と、市場が期待する強い緩和策を否定する発言に、円は急進。

日銀の広報は、発言内容はいつもと変わらずとコメントを発表。市場の円買いの過熱ムードを冷やす動きへ。

弱い英小売売上高+金融政策を据え置いたECB理事会。改善する米新規失業保険申件数は改善、米FHFA住宅価格指数は予想を下回るも前回と変わらず、米住宅販売件数は予想を上回るも前回よりは低下、米景気先行指標は予想を上回るも直接的な動きは鈍い。

USDJPYは、106.80円台→105.40円近くと約1.4円下落、本日の高値となる107.50円から見れば2.1円近く下落し、円はクロスでも全面高。ただ、米国市場に入り106.50円近くまで値を戻している。

EURUSDは、1.1000~50のレンジで推移する中、ECB理事会は金融政策の据え置きを決定、予想通りながら、サプライズもなくEURUSDは直後1.1010→1.1060まで上昇し、再び下落へ。

GBPUSDは、弱い英小売売上高に一時売りが強まるも、概ね1.3150~1.3230のレンジで推移。


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ECB=金融政策の据え置きを決定。政策金利が長期にわたり現行またはそれ以下に留まると予想。資産買い入れは「月800億ユーロの購入を少なくとも2017年3月末まで続けることを確認。必要に応じ、インフレの持続的調整が見られるまで続ける。

ドラギECB総裁=英国がEU離脱を選べばユーロ圏経済に悪影響が及ぶだろう。中銀が必要なら流動性を供給する方針。緩和的な金融政策措置や強固な規制、監督の枠組みも市場の緊張抑制に寄与。

ドラギECB総裁=インフレは2017年、2018年に加速へ。成長リスクは下向き。

英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)=英国のEU離脱が決まり、商業用不動産に対する投資需要の減少幅が過去最大へ。不動産鑑定士の3分の1以上が商業用不動産市場について、下降局面の初期段階にあると感じている。

日銀広報部=ヘリコプターマネーについて「必要も可能性もない」との発言で、発言内容はいつもと同じとコメント。

黒田日銀総裁(BBCラジオ)=これまで財政制度と金融制度を明確に分けることで利益を得てきた。現段階でこの制度環境を放棄する必要はない。ヘリコプターマネーの必要も可能性もない→ この発言を受け円買いが急速に強まる。