2016/07/23

最新のIMMポジションは、ユーロとポンドを中心に通過ショートが拡大へ

最新のデータ(7月19日集計分)では、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)の合計ネット・ポジションは-72,565コントラクトと、前週の-59,062からショートが拡大へ。

特に目立ったのは、ユーロとポンドのショートの拡大で、英国がEU離脱を決めた週と比べてもネットショートポジションは拡大傾向にあります。

一見危機感が弱まったようにも感じられますが逆に、時間の経過とともにEU離脱の影響度合いが深刻にとらえられているのではないでしょうか? そして、その度合いをショートポジションで計るとすれば、ポンドよりユーロにより濃く悪影響が及んでいるようにも思われます。

安全通貨として選好される、円とスイスのロングはやや減少した半面、カナダドル、豪ドル、NZドルはロングが増加し、世界的な低金利の中で、市場が安定傾向にあるとみていたのか、比較的高金利の通貨が上昇し、原油価格の安定に豪ドルのロングも微増していました。

ただ、為替市場では、豪州+NZでは集計後に予想外に中銀の通貨高をけん制する動き、経済情勢の先行き懸念に、追加緩和期待がにわかに膨らみ、原油価格の続落とすべてが悪い方向へと動き始めています。

さて、円ですが、7通貨の中では最もロングポジションが多い状態に変わりありません。為替市場では、政府の景気刺激策+日銀の追加緩和=株高+円安を期待した円ショートポジションが急増し、集計後の21日にはUSDJPY107円半ばまで上昇しており、円のロングが減少してることが予想できます。

この状な円安センチメントの高まりにも、意外にもネットでは円ロングを維持していると思われ、リスク回避による潜在的な円先高が意外にも強いことが想像できます。

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◎円、47,545→(39,353)-8,192

◎ユーロ、-87,660→(-99,891)-12,231

◎ポンド、-60,067→(-74,386)-14,319

◎スイス、6,718→(4,687)-2,031

◎カナダドル、17,175→(22,068)4,893

◎豪ドル、16,216→(33,431)17,215

◎NZドル、-1,011→(2,173)1,162

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