2016/07/29

2016年7月29日(金曜)28日海外市場は、政府による日銀へ緩和圧力の報道に円売りへ

2016年7月29日(金曜)28日海外市場は、政府による日銀へ緩和圧力の報道に円売りへ

日銀の金融政策委員会を前日に控えた、28日の海外市場はロイター通信が「日銀は政府の圧力で、追加緩和を検討」との報道を材料に、円売りが加速。

FOMCも過ぎ、月末・週末の金曜日を前にして、日本のCPI、日銀金融政策委員会と、日本発の材料で円相場が変動するリスクが高まる。

市場は、「安倍首相の強権的な景気刺激策のサプライズ=日銀の追加緩和を免れない」と、思いながらも、現状で何ができるのか? との思いに、緩和余地は限定で、何もできないリスクを意識しながら、大幅な円売りポジションを取れずにいた。

そのような状況で舞い込んだロイター通信社の報道。信ぴょう性と日銀の政策委員がそれを実施するか? とのリスクは残るも、「財務省が日銀の緩和決定時の、声明の草案を用意」との越権でもある内容の報道は、どのように評価したらいいのであろうか? 

もしもの追加緩和のリスクを避けて通ることはできず、結果が判明するまでは円ショートポジションで待つことを市場は選択。USDJPYは104.80→105.50、円クロスでも、円売りが加速へ。

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米株は小幅な変動で、NYダウは-15.82(-0.09%)、NASDAQ+S&P500 は小幅上昇へ。原油価格(WTI)は在庫増に一時41.04ドルまで下落。米10年債利回りは一時1.5%を割り込に1.506%と小幅上昇、2年債は続落へ。

米国営調査局発表の6月財の貿易収支・速報値は、赤字額が拡大し、アトランタ連銀GDPNowは予想値2.3%→1.8%へ低下。今日、29日の米GDPが予想より弱くなるのではとの危惧も広まる。

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EURUSDは、予想を上回るユーロ圏景況感指数や、英住宅価格の上昇、独CPIは弱いながらも前回より上昇と、材料はネガティブで、欧米市場では一時1.1100~20近辺の高値水準まで上昇するも、ドル高の流れに終盤にかけては1.1060台へと値を下げるも、EURJPYは116.10→116.80台へと急進し、ユーロ売りも限定的。

AUDUSDは、欧州市場の序盤に本日の高値0.7550近辺まで上昇するも、欧米市場を通じて0.7500の大台を割り込むも、AUDJPの上昇もあり豪ドルの下げ幅は限定的。日銀の金融政策をめぐる円相場の変動は避けられず、AUDJPYが豪ドル相場を動かす可能性が高い。


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ロイター=日銀は政府の圧力で、追加緩和を検討。財務省も日銀に対して追加緩和を実施するようロビー活動を実施し、日銀の追加緩和決定の際の声明草案まで用意。

アトランタ連銀GDPNow=第2四半期GDP予想値2.3%→1.8%へ低下。

米国営調査局発表の6月財の貿易収支・速報値=-633億ドル(前回-610億ドル)と赤字幅が拡大→ 米貿易収支の速報値が弱い可能性も

クーレECB専務理事=政策金利や資産買い入れ策などは明らかに差し引きでプラスの効果をもたらすが、低金利が長期間とどまれば、金融安定に影響が出てくる。

原油価格続落=エネルギー情報会社ジェンスケープは、オクラホマ州クッシングの在庫が32.8万バレル増加と発表。

英10年債利回り過去最低へ=月末需要+FOMCの金利据え置きで0.7%の水準を割り込む。

グリーンスパン元FRB議長=米国は低い経済成長と高いインフレ率が同時に進行するスタグフレーションに向かっている可能性がある。懸念はスタグフレーションで、デフレの問題が薄れるのに伴いインフレがようやく上向き始めている初期の兆候がある。

グリーンスパン元FRB議長=低迷状態にあるだけだ。通常、リセッションを特徴づける投機的な側面は見られない。

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