2016/07/03

今週の為替相場を考える(7月4日~8日)

今週の為替相場を考える(74日~8日)

英国のEU離脱を決定。この政治的・経済的な混乱はすでに金融市場は織り込みずみなのでしょうか?今週の為替相場を考えるに、この疑問から離れることはできないでいます。

仮に、各国の株価が為替相場をリードし連動しているのなら、離脱前の水準を上回る英株にポンドの買いが続き上昇し、欧州株は伸び悩み、ユーロは売りが続き、豪ドルは上昇することでしょう。

戻りきらない日経平均株価に円高が続き、ダウ平均は元の水準近くへと戻り、ドルは623日(木曜)の水準に逆戻りする、矛盾を含んだ仮説を唱えたらいいのでしょうか?

先週末の相場は、月末・四半期末・半期末の決算日に当たり、4日の米独立記念日を控えた長期週末前の歪な動きとなっていたこともあり、簡単に信じていいものなのか疑問です。

英国内で、与野党内で政治的な対立が続き、EU残留を求める動きは活発で、スコットランドや北アイルランドでは独立への動きも見られ、EU加盟国内でも離脱を求める国が芽を噴出しています。

最も、英国のEU離脱による混乱を収めようとし、G7が何度も会合を開き、ECBBOEを中心とし市場へ大量の流動性を供給し、為替相場の過度の変動時の対策も綿密に打ち合わせしていたと推測でき、その結果の安定であることも間違いないことでしょう。

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結論として、二つの選択が見えてきます。

その一つは、日和見主義で、英国のEU離脱の悪影響は不明で考えることを止め、今週の2大イベントである、FOMC議事録の結果と、米雇用統計の結果をみてから、7月、9月の利上げの可能性が完全に失われてしまったのかを確認し、新たなポジションを作ることです。

残りの一つは、英国のEU離脱による政治的・経済的なリスクは消えずと考え、リスク回避の狙った、GBPUSDEURUSDの売りで、GBPJPYのポジションを作り、USDJPYもショートを維持する選択です。

それ以外にも、英国のEU離脱による政治的・経済的なリスクは相場に織り込み済みで、リスク回避の動きが強まり、円売りやドル売りが加速することですが、これは相場感で除外して考えたいと思います。


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【通貨ペア別のレンジ予想】

USDJPY 【予想レンジ 101.50103.80円】 

《円高の流れが続くも、不安定な状況は変わらず》
英国のEU離脱による直後の過度の変動期待は短期間で収まり、リスク回避の巻き戻しに円売りが強まっています。さらに、日本政府は10兆円規模やそれを上回る規模の経済対策を打ち出す可能性と、729日に日銀は追加緩和を実施する可能性も捨てきれません。

「株高=円安」の予想が強まっていますが、本当なのでしょうか? どうしても疑ってみる必要があります。

先週は、予想外の英国をはじめとし、世界的な株価の上昇にリスク回避の動きが活発化し、円売りへと変化していますが、本当に英国に投資する機会と考えているのでしょうか? 

レッドカートを心配していたら、イエローカードが出てきただけで、もう一枚、イエローカードをもらったら退場になることは間違いありません。

為替相場の主な要因はGBPJPYを含めた円クロスの巻き戻しによるところが多く、今週もこの流れが続くのでしょうか? USDJPY単体で考えれば、不安定ながらもある一定の水準にとどまることも予想できます。

米雇用統計の非農業部門雇用者数の増加は、前回が悪すぎたことによる反動に、強くて当たり前! もし10万を割り込むようならば、ドル売りへと傾き、年内の米利上げ観測はさらに弱まることでしょう。

その際のUSDJPY相場は厄介で、ドル安の流れに、主要通貨でドル売りが加速し、USDJPY相場はある程度の連動性は示すものの、クロスでは円売りが加速することでしょう?

また、予想外に強い数字となっても、主要国通貨でドル買いが強まり、円はクロスで円買いが加速し、USDJPY相場は、動きが取りにくい状況にある中で、円高傾向は変わらずと考えます。

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EURUSD【予想レンジ 1.10001.1250】 
GBPUSD【予想レンジ 1.31001.3500

EUR売りGBP売りの流れは変わらず》
英国のEU離脱を問う国民投票の結果が判明して、先週末で1週間過ぎました。結果は直後のポンド売り+EU売りの流れも短時間で終了し、英国やユーロ圏の株式相場の上昇に、ひょっとしたら、ボトムアウト!? との疑念もあります。

しかし、英国内の政治的な不安定性と、他国への連鎖など、不安定な要因は変わっていないのではないでしょうか? とこかで再度下値を試す動きが強まる可能性は変わらずと考えます。

この考えを変える目安としては、EURUSDが上値1.120050を超えるか否か? GBPSUD1.3500を超えるか否か?

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AUDUSD【予想レンジ 0.735001.7650

AUDの底堅さは変わらず》
英国のEU離脱による混乱は欧州域内で最大のリスクとなり、アジア・オセアニアへの影響は限定的と思われます。また、原油価格を含め資源価格の上昇も豪ドルにとってはプラス要因と考えられ、問題は、中国経済だけですが、今はテーマになりにくい状況です。

AUDUSD相場は、英国民投票前日の0.7500の水準まで値を戻し、24日の高値0.7650近辺が大きなターゲットになっています。

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