2016/07/17

今週の為替相場を考える(7月18日~7月22日)

今週の為替相場を考える(7月18日~7月22日)

「英国のEU離脱選択による影響」→ 「参議院選圧勝+追加景気刺激策・日銀追加緩和期待」→ 「仏ニース自動車テロ+トルコ軍事クーデター(制圧済み)」と、世界を取り巻く動きは流動的。結果、ドル買いの流れは変わらず。

トルコの軍事クーデターは無事制圧され事なきを得たようです。エルドアン大統領にとっては反政府派一掃の好機との報道もありますが、多発するクーデータを考えると、ユーロにとってはプラス要因とは考えにくいものがあります。

クーデターは先週末金曜日、主要NY市場クローズ前後の出来事だけに、相場への織り込み度は非常に弱かったと印象しています。結果、クーデター制圧で安心感は残るも週明けの金融市場では、どのような反応を示すのでしょうか? 興味深くもあり心配でもあります。

さて、今週は、週明け18日(月曜)が海の日で日本は休場。米国発の重要な経済指標もなく、翌週7月27日のFOMCを意識しながらの週となりそうです。

トルコの軍事クーデタの未遂の影響は不明ですが、リスク回避行動が強まれば、金曜日の終盤に円買いが加速し動きも否定できませんが、未遂に終わったことで、円買いも期待できそうにありません。いずれにしても、米ドル独り勝ちの流れを止める要因も考えにくいものがあります。

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【通貨ペア別のレンジ予想】

◎USDJPY 【予想レンジ 104.00~106.20】 
『トルコ軍事クーデターも未遂で終わり、円売りの流れ変わらず』

多くが考えているように、日本の景気刺激策+日銀の追加緩和期待に、株高が続き、英国のEU離脱を問う国民投票当時の水準へと円安が進み振出に戻ったことになります。週末金曜日のクローズ間際、トルコ軍事クーデター報道に円買いが強まっていますが、クーデターが未遂に終わったことで、継続的な円買いも考えにくいものがあり、104.00円をボトムに買いの流れは変わらず。ただ、EURJPYやGBPJPYで円高傾向が強まる可能性も意識。


◎EURUSD【予想レンジ 1.0900~1.11000】 
『英国のEU離脱+トルコ軍事クーデター未遂、潜在的なユーロ売りへ』

トルコの軍事クーデターは未遂に終わって一安心ですが、通貨ユーロにとっては楽観的に考えていいのでしょうか? 落ち着いている難民問題もトルコの政情不安で再燃する可能性はないのでしょうか? ニースでの自動車テロなど、一向に収束することのないテロ攻撃は、間接的にユーロへの影響がないとは言えないでしょう。英国のEU離脱による影響の不透明性も残り、ポジション調整以外に、積極的にユーロを買うことは考えにくいものがあります。 


◎GBPUSD【予想レンジ 1.30500~1.3450】
『急落不安は解消されるも、追加緩和期待は残り強さも半減』

予想外に早い新政権の誕生もあり、政治的な混乱はやや解消していますが、経済的な不安感はぬぐいきることはできません。底値が見えないポンド急落の可能性は弱まる一方、8月4日のBOE金融政策委員会では、追加緩和の可能性が高いこともあり、1.35台を超える上昇は期待できそうにありません。

◎AUDUSD【予想レンジ 0.7450~0.7600】
『強さを継続できるか? やや不安』

ドル高相場が続く中で、強さが目立つAUDUSD。NZDSUDとともに、高金利で英国のEU離脱の影響は弱く、中国や新興市場国の安定が背景にあると思われます。ただし、先週は4日連続し0.76台後半を高値に伸びきれず、予想外に強い中国GDPにも買いは続かず、0.7500割れの水準までの調整を意識せざるを得ないと考えます。


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