2016/07/17

最新のIMMポジションは、リスク資産の上昇(カナダドル+豪ドル+NZドル)、安全資産の円売り、英国のEU離脱後のユーロ+ポンドの売りは変わらず。

最新のデータ(7月12日集計分)では、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)の合計ネット・ポジションは、-59,062コントラクトと、前週の-37,095コントラクトからショートが増加し、全体的にドル偏重の流れとなっています(円の1コントラクト=12,500,000万円、他の通貨も概ね同等の水準)。

円は、日本の参議院選挙で与党が大勝、この余波をかって追加刺激策+日銀の追加緩和を期待する円売りが加速したこともあり、円のロングが減少しています。

また、英国のEU離脱直後のポンド+ユーロ売りも弱まり、欧州株の流れとなっていますが、ユーロ+ポンドのショートは逆に拡大しいますが、為替市場では逆に、GBPUSD+EURUSDが上昇しています。

このIMMポジションは投機的なポジションに限定しており、投機筋は売り+実需筋・資本筋はリスク回避の調整による買へと流れが異なるようにも思われます。

また、カナダドル+豪ドルは前週よりロングが増加、NZドルはショートからロングへと転換するなど、前週と比較すると買い圧力が強まっています。

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◎円、63,568→47,545(-16,023)
多くの市場参加者が考えている通り、予想通りの参議院選の圧勝から流れが変化。景気刺激策の新たな対応に加え、日銀の追加緩和期待が海外勢中心に強く、株高=円売りの流れが加速。ただし、ネットポジションは引き続きロングで、投機筋と実需筋の考え方の総意なのか?


◎ユーロ、-75,327→-87,660(-12,333)
英国のEU離脱選択から、リスク回避の売りの調整中ながら、EU域内での政治的・経済的な不透明性は変わらず、ECBの追加緩和期待も強い。為替市場もEURUSDは1.10~1.12のレンジを脱し切れず。ネットポジションも2月2日以来の高水準で、市場センチメントはユーロ先安懸念は変わらず。


◎ポンド、-49,031→-60,067(-11,036)
英国のEU離脱選択から、早期メイ政権樹立もありリスク回避の売りの調整中ながら、今後の経済的なリスクは消えず。為替市場もEURUSDは1.30を上回るも、1.35を超えられず。ネットポジションは6月23日の英国民投票直前の6月7日の水準に次ぐショートポジションで、市場センチメントはポンド先安懸念は変わらず。


◎スイス、8,678→6,718(-1,960)
市場参加者の興味対象外となっているが、安全資産の部類に属し、微減ながら5週連続でネットでロングポジションを維持。


◎カナダドル、11,517→17,175(5,658)
金価格は高値圏で安定と言うのか、伸びきれずと言うのか、原油価格(WTI)は50ドル台を回復できずにいる。英国のEU離脱による悪影響は弱く、好調な米経済の影響を受けて4月5日来、15週間ネット・ロングポジションを維持し、3週連続で微増ながらロングポジションが増加している。


◎豪ドル、4,903→16,216(11,313)
3週連続でロングが増加し、2週連続でネット・ロングポジションが続いている、強さが目立つ通貨。中国GDPはまずまずで、AUDUSDはチャート的に豪ドル買いが続くも、ロングポジションの伸び率は緩慢。


◎NZドル、-1,403→1,011(2,414)
6月14日来、5週間ぶりにネットショートからロングへと変化。ただし、為替市場ではNZDUSD0.7300台を維持できず、集計後は値を下げ0.71~0.73のレンジで推移。主要国で、英国のEU離脱による影響が比較的弱く、2.25%の金利も比較的高いのが魅力なのか?


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