2016/03/13

2016年3月13日(日曜) 今週の為替相場を考える(3月14日~3月18日)

2016年3月13日(日曜) 今週の為替相場を考える(3月14日~3月18日)

前週に続き、先週もリスク選好型のパターンに入り、16日のFOMCでその流れに変化があるのでしょうか?

NZ中銀の予想外の利下げと、ECBの緩和パッケージとドラギ・バズーガの影響を受けながらも、新興国を含め世界的な株高(除上海総合)+原油価格+商品価格は上昇を続け、VIXは低下しています。

日本を除き金利は上昇傾向にあり、円売り要因であると同時に、資源価格に敏感な通貨高の御旗となっており、その流れが今週も継続できるのかを注目しています。

今までは、米国対他の主要国と2極化していましたが、最近はやや統一性がなくなり、各国の中銀間でも金融政策の違いが目立っています。

先にカナダ中銀は一部で期待された追加緩和もなく、声明で「雇用は持ちこたえ、家計支出が需要を支えているとしたほか、為替動向に敏感なセクターを中心に、エネルギー以外のセクターの輸出は勢いを増している」と。原油価格の安定に強気ムード満点。

豪中銀は「最近の労働市場の改善が継続するかどうか、最近の金融市場の変動が世界および国内の需要の弱まりの前兆なのかどうかを判断することになるだろう。」と今後の指標を見守る動きへ。

他方、NZ中銀は予想外の追加緩和を実施し、ウィーラーNZ中銀総裁は「追加利下げを複数回実施する可能性は排除できない」とNZドルは強気になれない材料を提示。

そして、ECBは予想外に緩和をパッケージ化し長期間続き金融緩和に打ち止め感をだし、ドラギECB総裁も緩和打ち止め宣言ととれる発言をしています。

本当に打ち止めを信じていいのでしょうか? それとも、再び追加緩和をせざるを得ない状況に陥るのか? その判断にはしばらく時間がかかりそうです。

長くなりましたが、16日のFOMCで3月の追加利上げは期待していませんが、イエレンFRB議長から6月の可能性や年内の複数回の利下げに関しての可能性を聞くことができるのでしょうか? また、 今後の経済見通しをどのように判断しているのでしょうか? 最近の傾向を肯定するのか、否定するのか今週はまさにこれ次第と考えています。

※※※※※※※※※※※※※※※※

【EURUSD 予想1.0850~1.1400】
ECBの緩和パッケージとドラギ・バズーガ=ユーロ高! この流れでいいのでしょうか? 本当に緩和打ち止めを信じていいのでしょうか? 円安の材料と傾向は変わらないものの、円高になっている現状と同じで、EUR安の材料と傾向は変わらないが、EUR高だと考える市場参加者もあることも事実。ただ、これを信じるには、もうしばらく時間の経過とこれからの経済指標を見極める必要があることが必要で、最近のレンジとなる1.0800~1.1400のワイドなレンジ相場を予想しています。


【GBPUSD 予想1.4000~1.4400】
6月23日のEU離脱を問う国民投票の実施を前に、どうしても売り材料にされやすい状況に変わりありません。ただ、本当に英国がEUから離脱すると思っているかと言えば「NO」です。最近の傾向としてはこれを口実にポンドショートを作り、上がったら利食いを入れるパターンが続いています。Weeklyチャートではダウントレンドに変わりありませんが、EURGBPのWeeklyチャートは200MAに近づき上値が重くなっており注意しています。


【AUDUSD 予想0.7300~0.7650→上昇へ】
株高+原油高+金利上昇(除日本)の流れと、予想外に強気な豪中銀の発言など、どうしても、豪ドル高の材料が目についてなりません。3月1日の豪中銀理事会で「最近の労働市場の改善が継続するかどうか」と注目しており、17日の豪雇用統計とFOMCは今後の流れを占う重要な発表となっています。テクニカルでも、Dailyチャートでは200MAを2週間前に上抜け強い流れへと変化、Weeklyチャートも2週間前から中期線を上抜けて上昇の流れへと変化しています。ただ、Weeklyの上値のターゲットとなっており0.7600近辺に近づいており、0.7650を超えることができるか注目。

【USDJPY 予想112.50~115.00】
株高+原油高+金利上昇(除日本)の流れに、今までのリスク回避→選好パターンへ変化し、クロスを含め円は弱含みで推移し、FOMCのサプライズがなければこの流れの継続が期待できます。チャートでは、過去4週間を見ると111円~115円のレンジ相場を抜け出すことはできず、過去2週間の終値ベースでは113.80円近辺に収斂し、動きは鈍いと言わざるを得ません。直近では円高ムードも若干弱まる傾向にあり、底値を112円台まで切り上げ、112.00~115.00のレンジ内での動きとなっています。Weeklyチャートの200MAは104円にあり、Dailyチャートの200MAは120.50円近辺に位置し、暫くは揉み合い相場を覚悟しなければならないのでしょうか?

※※※※※※※※※※※※※※※※