IMMデータは、毎週火曜日時点のポジションを集計し、今回は3月1日となります。
7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)の合計ネットショートポジションは-67,575コントラクトと前週の-63,492からマイナス幅は7週間ぶりに増加しています、しかし、マイナス幅は少なく、先週末の米雇用統計を受けたドル売りの動きにもあり、大きな流れ変化を確認することはできず、来週のデータを確認する必要があります。
通貨別でみると円のロングは拡大傾向が続き、ユーロは逆にショートが拡大、ポンドは相変わらず売り圧力が強くショートが拡大、カナダドルは原油価格の安定もありショートは減少、豪ドルはロングが拡大、NZドルはショートが減少しています。
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円は、今年に入りショートからロングへと変化してから9週連続でロングを維持し、4週連続の増加となっており、円先高感が強いことが推測できます。ただ、ショートのコントラクトは59,625と伸びは鈍化していることもあり、市場センチメントは警戒的な円高とも言えるでしょう。
ユーロは、昨年12月からショートは前週まで減少傾向が続いていましたが、ロングへ変化できず先週は逆に-68,541とショートが21,684拡大しています。英国のEU離脱を問う国民投票と3月ECB理事会で追加緩和の影響が強く、今週のECB理事会が第一関門と思われます。
ポンドは、ショート-39,378コントラクトと、6月のEU離脱を問う国民投票を控えどうしてもショートを減少することができずにいます。水準的に見ても今年に入ってからのピークの-47,537から大きく減少できずにおり、その流れが国民投票の世論調査で強い変化がみられるまでは続く可能性が高いと思われます。ただ、仮にドル安が強まると、対ドルではなく他の通貨で変化することが考えられます。
カナダドルは、-30,478コントラクトと5週連続の減少となっていますが、原油価格の下げ止まり感が強まっている影響が背景にあると思われます。今後も原油価格の影響を受けることは避けられませんが、市場の思惑ではWTIが30~40ドルの範囲で安定するとの見込みが多く、一部では50ドルを目指すとの予想も若干見られます。
豪ドルは、+16,861コントラクトと3週連続でロングを維持し、今までの流れの変化が感じられます。2015年6月から続いたショートがようやく2月16日の週にロングへと変化、ロングも増加傾向にあることで、強さが感じられます。
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Long Short Net 増減
円、 94,070 34,445 59,625 6,891
ユーロ、103,965 172,506 -68,541 -21,684
ポンド、38,965 78,343 -39,378 -6,310
スイス、19,723 21,230 -1,507 814
カナダ、31,018 61,496 -30,478 6,462
豪ドル、76,480 59,619 16,861 7,286
NZドル、16,593 20,750 -4,157 2,458
計 -67,575 -4,083
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