2016/03/06

今週の相場見通し(3月7日~3月11日)

2016年3月6日(日曜) 今週の相場見通し(3月7日~3月11日)

リスクオンの流れへと変化していますが、この流れがどこまで続くことができるのでしょうか? 一週間を通じて原油価格と株価連動型の為替相場に変わりなく、期待感はリスクオンの流れの継続。

先週末の米雇用統計は今週の相場を占う意味で非常に重要と考えられていました。失業率は4.9%で変わらず、非農業部門雇用者数は大幅改善するも、逆に時間当賃金は低下。どこに注目するのかで考えは異なりますが、通貨間で変動もバラバラ、値動きも上下変動へしながら、結果として原油価格は上昇、欧米株も上昇、債権は下落(利回り上昇)となっています。

一週間を通じてもリスク選好のパターンで、結局はドル売りへと動きドル円は動きが緩慢ながら、他通貨では円安へと動き、この流れを今週のベースアイデアとして考えたいと思います。

直近3週間と前週比のデータ(2月26日と3月4日)では、新興国株は6.88%上昇し過去3週間を通じても上昇傾向が目立ち、VIX指数は14.89%低下し3週連続の低下となり、CRBは4.25%上昇し3週連続の増加で、WTIは10.49%上昇し3週連続の上昇となっています。

原油価格の上昇も影響し、AUDUSDは4.31%上昇、AUDJPYも4.17%上昇、USDCADは1.49%低下し3週連続の低下へ。株価は言うまでもなく世界的に上昇し、日経平均株価は先週5.10%上昇し、過去3週間でも続伸傾向が目立ち、米株や欧州株も続伸し、上海総合も先週は3.86%の上昇となっています。

このように、原油価格の安定により世界的な株高がリスク回避の流れを弱め、リスク選好型へと変化し、豪ドル+NZドル+カナダドル高の流れを作っていたことが強く印象に残ります。

今週は材料が豊富で、この流れを変化させる要因も多くあります。①中国全人代、②ECB理事会・総裁記者会見はもちろんのこと、③日本のGDP、④中国貿易収支、⑤カナダ中銀金融政策、⑥NZ中銀金融政策、⑦カナダ雇用統計など、すべてが重要で注目しています。


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【EURUSD 予想1.0900~1.1100】
Dailyチャートからはダウントレンドを継続していますが、1時間チャートでは200時間MVを上抜けし上昇へと変化し、1.0930~40が重要なポイントになっています。Weeklyチャートでは1.0500~1.1500の1000ポイントのレンジに収斂し1.1000を中心としたレンジ相場の継続を示唆しています。

今週の材料からは、ECB理事会・ドラギECB総裁の記者会見が最も重要で、金融政策を見直すことを示しており、先の議会証言でもその流れは変わらず、市場は中銀預金金利の下限金利-0.3%→-0.4%の引き下げを織り込んでいます。

仮に、このマイナス幅がより拡大し、資産買い入れの増額や、0.05%の政策金利の引き下げとでもなれば、ユーロ売りが強まることでしょう。逆に、予想通りの結果ではすでに織り込み済みでユーロの買い戻しが強まることが予想されます。

また、ドラギECB総裁の記者会見で、追加緩和の打ち止め感がでるのか? それとも、追加緩和の可能性を指摘するのか? その結果によってユーロ相場の流れは変化することが考えられます。


【GBPUSD 予想1.4000~1.4400】
Dailyチャートからはダウントレンドを継続し1.4300~1.4400が上値の重要なポイントとなっています。1時間チャートはEURUSDと同じく、3月3日から200時間MAを上抜け上昇へと変化し、2月19日(金)1.4400→22日(月)1.4300のギャップを埋めることができるのか? この水準からは売りプレッシャーが強まることも予想されます。

Weeklyチャートではダウントレンドは変わらず、2月22日の週の下げと2月29日の週にほぼ全戻しとなり、今週1.43~1.44台以上で終わることができれば、目先の底打ち感も強まると判断できますが、6月の英国民投票の重大イベントを控えていることを考えれば、戻り売り圧力が強まることも想定せざるを得ない状況となっています。


【AUDUSD 予想0.7300~0.7650】
Dailyチャートからは5日連騰で200日MVをスポットレートが上抜けし強さが感じられます。1時間チャートでは2月上旬からすでに200時間MAを上抜け上昇傾向が続き、上昇傾向としてはNO.1。Weeklyチャートでも中期線を上抜けし、トレンドブレークし上昇圧力を継続しています。

リスク要因としては、中国全人代による株価と原油価格へのマイナス面のリスクと、短期間で上昇が続いていることの一時的な利食い売り圧力が強まることも考えられますが、押し目買いの流れは続きそうです。


【USDJPY 予想111.00~115.00】
Dailyチャートからは112円台買い、114円台売りの流れの継続で、ダウントレンドの流れの一環とも考えられます。1時間チャートでは200時間MAの113.20円近辺をボトムにした値動きが続き、ややビット気味で中期線の113.70円を中心とした、主体性の乏しい展開となっています。

Weeklyチャートでは200週MVを2013年年初に超えてからは上昇を続け、過去4週間では111円でボトム感が強まっていますが、先のボトム水準の116円を超え、中期線の122円を超えるまでは105円までの円高のリスクは払しょくできず、市場参加者の見通しも二分している状況が暫くは続きそうです。

逆に、円は他通貨では弱含みで推移しており、この流れが暫くは継続することが考えられ、市場の関心がより円クロスへとシフトする可能性も高いと思われます。

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