2016/03/19

2016年3月19日(土曜) 昨日18日 海外指標の動き

2016年3月19日(土曜) 昨日18日 海外指標の動き

週末金曜日は、落ち着いた調整の一日。

FOMC後の為替相場はようやく安定してはいるも、今後のドル相場の見通しはブル派・ベア派に大きく分かれている。ただし、ブラックロックのファンダメンタル債券担当が指摘するように、米10年債利回り1.88%程度は魅力では?

BOEの報告書では、中国経済の影響が他の主要国に与える影響の大きさを報告。あらためて中国成長率や株価の動きが気になも、上海総合株は6連騰、2月26日以降の16日間で13日間続伸。

週末の金曜日の為替相場は、原油価格の低下とポジション調整の動きが強く、AUD+NZDは弱く、CADは原油価格に連動し上昇から下落へとV字型に変化。JPYは対ドルで若干弱く、NZD+AUDで上昇するも大きな変化は見られず。

原油価格(WTI)は一時41.20へ上昇するも、米石油リグ稼働数が年初来初めて拡大、39ドル台前半で終了。新興国株や米株は6日連騰で高値を更新中。米10年債利回りは3日連続で低下へ、VIXは4日連続で低下へ。

USDCADは、欧州市場の1.3030台を高値に、カナダCPIは予想通りながら前年比は若干弱く、原油高+小売が強く1.2940まで下落から、原油価格の下落に1.3040まで上昇。

USDJPYは、緩やかな上昇へ。欧州市場では111.20台をボトムに111.20~50の狭いレンジから、原油安+株高の動きに111.70台へ一時上昇、111.50近辺で落ち着く。

EURUSDは、プラートECB専務理事の追加緩和の可能性を示唆する発言を材料とした動きもみられるも、1.1300~50の売りが強くポジション調整による自律的な売りに1.1260台まで下落。ムーディーズはユーロ圏のソブリン格付けの見通しを安定的に、第4四半期のユーロ圏労働コスト=前年同期比1.1→1.3%へ拡大と、ネガティブな材料み見られた。

※※※※※※※※※※※※※※※

BOE報告書=中国経済が急速に減速すれば、共通の貿易相手国を通した影響のほか、金融部門への影響を通して、英経済も影響を受ける。

BOE報告書=中国経済成長が今後の数四半期6%→5%に減速で、英国の成長率は約0.1%減速すると試算。影響は、ユーロ圏経済の1/3だが、1990年時点と比較すると4倍に拡大へ。

BOE報告書=英国の対中輸出は全体の4%以下だが、米国とユーロ圏の対中輸出の割合は各10%近い。英国は間接的に影響を受ける可能性があり、英中の金融上のつながりを通してかなりの影響を受ける恐れがある。

BOE報告書=英国の銀行の中国本土の銀行に対するエクスポージャーは海外事業全体の1.6%に過ぎないが、含む香港は16%に上昇。

BOE報告書=中国の景気減速により世界経済全体の見通しに対する不透明感が増大し、市場心理や資産価格に影響が出る恐れがある。中国の成長見通しをめぐり予想外のことが起きれば、世界的な市場心理の悪化とリスク回避の動きで、英国をはじめとする各国は大きな影響を受ける。

BOE報告書=中国経済が減速すれば商品価格が低下し、英経済の恩恵になると予想。ただ、このところの商品価格の下落による英経済成長率の押し上げ効果はまだ顕在化していない。

ブラックロックのファンダメンタル債券担当=世界的な相対価値を踏まえれば、米国債利回りはここから少し低下傾向になる可能性がある。日本の長期金利やドイツ国債を見た場合、ポートフォリオで利回りを確保する必要がある保険会社や年金基金、政府系ファンドの運用者の立場であれば、米10年債の2%はマイナス金利と比べると掘り出し物。

※※※※※※※※※※※※※※※