2016/03/21

2016年3月21日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

2016年3月21日(月曜)欧州・米国市場序盤の動き

東京市場が春分の日で振替休日の中、アジア市場では中国株が大幅に上昇、上海総合は2.15%と3000ドル台の大台へ、深セン株も強く、原油価格は41ドル台半ばで堅調に推移。

欧州株やNYダウは動きは鈍いが、米10年債利回りは上昇し、米国市場に入りドルのサポート要因となっている。ラッカー・リッチモンド連銀総裁は持論のタカ派発言を示唆、ウィリアムズSF連銀総裁の、タカ派発言も潜在的に気になる。

ドル円は、中国株の上昇に底堅く、日本株先物は上昇し、米金利の上昇や原油価格の上昇に底堅く推移し一時111.80円台まで上昇へ。引き続き底堅く111.60円が大きなポイントとなっている。

豪ドルは、ターンブル豪首相が両議会を解散し7月2日に選挙を実施の可能性を示唆。アジア市場ではやや軟調推移するも、欧州勢の参入で再び上昇へ。

ポンドは、ダンカン・スミス英雇用・年金相が週末に、政府の社会保障費の削減方針への懸念を理由に辞任へ。6月23日の英国民投票までは混迷が続く可能性が高い。また、英産業連盟(CBI)=英国がEUから離脱した場合、2020年までに1000億ポンド(1450億ドル、約16兆円)の経済損失が発生し、95万人の雇用が失われると試算。英国のEU離脱リスクを数字化して示し、やや弱気ムードが続いている。

李中国首相は「人民元安に頼らず輸出を促進する」と発言、高中国商務相は「3月の対外貿易が大幅に回復する可能性が高い」と発言、周中国人民銀行総裁は「中国経済への鈍化懸念が後退しており、資本流出が大幅に弱まっている」と発言、結果は今後を評価する必要があるが、目先はハト派発言が続き、円にとってはネガティブ要因となっている。

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ウィリアムズSF連銀総裁=世界経済の混乱が無ければ、4月と6月に追加利上げを実施する見込みもある。

ラッカー・リッチモンド連銀総裁=米インフレが今後数年間に加速し、FRBの目標である2%に向かう。最近のインフレ指標は想定を上回っており、上振れリスクは大幅ではないが、目に見えてかなり増大。

李中国首相=ラガルドIMF専務理事との対話で、中国は輸出促進で人民元の下落に頼ることはないと発言。中国は、世界経済回復を阻害するだけの通貨戦争を許さない。

クーレECB専務理事=ユーロ圏諸国の政府は財政支出を投資と教育に振り向けるべきで、ECBが単独で成長を促進することはできない。

ビルロワドガロー仏中銀総裁=マイナス金利は有効な手段だが限界もある。原油価格安や新興国の減速に起因するデフレ圧力があるものの、価格下落が賃金や資産価格を圧迫する「デフレ・ダイナミクス」が台頭する兆候はない。

ビルロワドガロー仏中銀総裁=ECBが3月理事会で、マイナス金利の階層化を導入しなかったことで国際的に協調的な姿勢を示した。

英産業連盟(CBI)=英国がEUから離脱した場合、2020年までに1000億ポンド(1450億ドル、約16兆円)の経済損失が発生し、95万人の雇用が失われると試算。

ターンブル豪首相=上下両院議会で労働改革法案が可決されなかった場合、両議会を解散し7月2日に選挙を実施へ。

高中国商務相=3月の対外貿易が大幅に回復する可能性が高い。

周中国人民銀行総裁=中国経済への鈍化懸念が後退しており、資本流出が大幅に弱まっている。短期的な投機的資金が一部流出している可能性があるが、このような流出は懸念すべきことではない。

ダンカン・スミス英雇用・年金相(19日)=政府の社会保障費の削減方針への懸念を理由に辞任へ。