2016/10/16

今週の為替相場を考える(10月17~18日)

今週の為替相場を考える(10月17~21日)

注目している材料は今まで大きな変化なないが、テクニカルと合わせ以下のポイントを注視。

1.米国の利上げの有無とその時期?
2.米大統領選の行方と相場への影響?
3.ハードブレグジットの可能性・影響とポンド安相場がどこまで続くのか?
4.EUの安定の有無ととECBの金融政策の変化
5.日銀の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の影響は?
6.株高=円安がどこまで続くのか?
7.原油高(コモディティ高)=資源国関連通貨高がどこまで続くのか?


1.米国の利上げの有無とその時期?→ 12月14日が有望で可能性は高く、米金利も上昇し、株価も予想外に安定しドル高傾向を維持。
◎米利上げに関して直近の発言では、煮え切らないイエレン議長を除き、カシュカリ氏のネガティブな発言を除き、ローゼングレン+フィッシャー+メスター+ジョージ+エバンズ+ラッカーと各連銀総裁・副議長は利上げを容認する可能性の発言となっている。先月のFOMC議事録でも「比較的早い利上げが適切」であることが示されており、米大統領選の結果が判明し、イエレン議長の記者会見も予定されている12月14日の利上げに焦点を当てた動きにならざるを得ない。

2.米大統領選の行方と相場への影響?→ 失態を繰り返すトランプ氏。クリントン氏がより有利ながら望まれた大統領になりえず。潜在的なドルマイナス要因へ。
◎米大統領選前の最後の討論会(12日・日本13日)では、前評判通りクリントン氏が有利と思われるも、サプライズはなく、相場への反応は期待していない。逆に予想外にトランプ氏がなんらかの要因で有利になった場合のみ反応を期待。

3.ハードブレグジットの可能性・影響とポンド安相場?→ GBPの買い戻しも一時的で、GBP安のリスクは変わらずで1.2000を割り込めるかが重要。
◎強硬なメイ英首相もやや議会に妥協した動きとなっているが、EU離脱を議会に委ねるとは思われず。単一市場へのアクセスできなくなるリスクと、妥協策をめぐる展開に目が離せず。20日からのEU首脳会議(除く英国27か国)会議の行方を注目しながらも、GBPの買い戻しも一時的で、GBP安のリスクは変わらず。

4.EUの安定の有無ととECBの金融政策の変化?→ 潜在的なEU売りは変わらず。
◎英国に続きEU離脱を予想する声はなくならず。もっとも来年に予定されている複数のユーロ圏各国の選挙結果に影響されるよると思われ、急激なEU売りも考えにくい。今週はECB理事会があり、金融政策の変更は予想していないが、期限を来年3月末となっている月額800億ユーロの買い入れに関して何らかの動きがあるの、ECBのテーパリングに関してなにかあるのかを注目。

5.日銀の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の影響は?→ 個人的には相変わらず不明で苦肉の策としか思えないが、結果は円安へ。
◎9月21日のサプライズにより混乱した円相場も約一月が過ぎ、緩和策の継続と理解し、株高=円安の流れに100~105円のレンジの上限を試す動きへ。

6.株高=円安がどこまで続くのか?→ 今週の米企業決算を見守る動きへ。
◎米株は今週多数予定している米企業の決算による影響を受けやく、株価の変動=円相場の変動を覚悟しなければならない。日本株は17000円の大台を定着できず、16300円以下は底堅く、合い変わらずのレンジ相場。GPIFや日銀の買の影響なのか底堅くレンジに入っているが、テクニカルでは16000円を割り込むとネガティブ。米株は先週の米アルコアショックの売りも大きな変化を示せず、14日のバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレーの決算も強くはないがまずまずの結果に、やや楽観的なムードになっているが、今週の結果を見るまでは分からず。

7.原油高(コモディティ高)=資源国関連通貨高がどこまで続くのか?→ 11月30日のOPEC総会を注目し、原油高にCAD+AUD買いの流れは変わらず。
◎11月30日にウィーンで開催するOPEC総会を注目。9月28日に2008年来で初めてOPECは減産に合意し、11月のOPEC総会で合意することになっている。ロシアやイランも加わると思われているが、ロシアは政治的な駆け引きをしているようで、ロシア発の発言は気になる。ひとまず、WTIは50ドルのハードルを超えたことで、資源関連通貨のカナダドルやコモディティーの影響の強い豪ドルは買いの流れが続いている。

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【通貨ペア別のレンジ予想】


◎USDJPY【予想レンジ 103.00~105.00→106.50】
100~105円のレンジに収まるのか? 102.50~108円の新たなレンジに変化するのか? 日々の値動きは上下変動を繰り返しながらも、確実に底値を切り上げている。米株の動きや米大統領選の不透明な要因はあるものの、資源価格の上昇に支えられ円売りの流れは止まらず。上値を試す動きが続き、105円をブレークすれば更なる上昇へ。失敗すれば103円へ逆戻り。

◎EURUSD【予想レンジ 1.0750←1.0950~1.1200】
売り圧力は止まらず。最近のユーロ圏経済指標は強い内容も見られるが、第4四半期は弱きな予想が多い。経済的には英国のハードブレグジットの影響を受け、政治的には移民問題の影響を受けている。6月24日の安値1.09119を意識するも、過去1.09台の壁は厚く何度も跳ね返されていることもあり、サポートされやすいが、1.0900を割り込むと危険。

◎GBPUSD【予想レンジ 1.1500←1.2000~1.2400】
なんと言えばいいのであろうか? 英国のEU離脱と言う大事業の影響は、これから現実味を浴びてくるということなのであろうか? 過去1.300の水準近くで長期間レンジ相場に入っていたが、1.2000の大台を前にして1.2100前後でボトムにすることができるのか? それとも、10月7日のフラッシュ・クラッシュ時の不明な安値1.1500割れ近辺を意識せざるを得ないのか?

◎AUDUSD【予想レンジ 0.7500~0.7750】
豪中銀の追加緩和も目先は考えにくく、原油高・商品価格の上昇による恩恵を受けやすい。株価も比較的安定し、リスク選好のパターンに入れば、更に上昇の予知が出てくる。ただし、ドル高の流れによるAUDUSDFの売りに対して、EURAUD+EURAUD+EURJPYでのAUD買いがどこまでAUDUSDを引き上げることができるのか? 売り買いが交錯し調整局面を数々迎えながらも、0.7500をボトムにし押し買いの流れは変わらず。

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