2016/10/30

今週の相場を考える(10月31日~11月4日)


今週の相場を考える(10月31日~11月4日)

日本+豪州+英国+米国の金融政策の発表と米雇用統計を主役に、カナダGDP+雇用統計、NZ雇用統計、ユーロ圏GDP+CPI、米ISM製造業+非製造業景気指数と最重要なイベントがギッシリ詰まった今週の為替相場。

それに、米大統領選を月曜からみると残り8日に控えたクリントン氏のメール疑惑の再発が加わり、本当にドル高傾向が維持できるのか、「ドルの強さ」+「円の弱さ」が再評価される週。

先週末の28日金曜日、午前2時頃までは、105円台で定着したドル円相場と、円クロスでも円安傾向が続く為替相場に、「今週も円安傾向が続くのでは?」と思いながら過ごしていたことであろう。

それが、米大統領選の本選までわずか11日と迫る中で突然、「FBIがクリントン氏のメール疑惑の再調査に入る」との報道に、ドルは全面安+円は全面高でドル円も終値では104.60円台でクローズ。

クリントン氏は「不正行為はないと確信」とし、FBIに調査再開の経緯の説明を求めるといっている。一方、コミーFBI長官は「別件に絡み、以前の調査に関連すると思われる電子メールの存在を把握した」と言う。

蒸し返されるクリントン氏への疑惑。今後の大統領選の行方にどの程度の影響を与えるのだろうか? 米株+米金利+為替相場にどのような変化が生じるのか、米大統領選を残り8日に控えた来週の米国市場の動向が気になる。

最後になってしまったが、米FOMCはまず現状維持で、次回12月の利上げ示唆の程度が相場変動要因。非農業部門雇用者数が20万人上回るか、前回の15.6万人を割り込むのかを注目。ただし、最近の傾向は時間当たりの賃金や平均時給なども重要。


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【通貨ペア別のレンジ予想】


◎USDJPY【予想レンジ 104.20~106.00、または、103.00~105.00】

今までは、100円失敗の反動+米利上げ観測+底堅い米株、クリントン氏次期米大統領濃厚=ドル高期待に、103円台、104円台を徐々にクリアし、ついに105円台を突破。

それが終わってみれば、クリントン氏のメール疑惑再発ショックに104円台で越週となったが、米大統領選本線まで残り11日目に行動したFBIの真意と疑惑の真贋は? 

その影響どはどの程度のものなのか? 何もなければ、「米株安定+米金利上昇=円安」なのだが、情報が限られる現時点ではそうとばかりも言っていられない。いつもながら、金融機関や機関投資家に配慮した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は相変わらず理解できにくい。


◎EURUSD【予想レンジ 1.0900~1.1000、または、1.0950~1.1100】

10月20日の理事会では金融政策の据え置きとなったが、12月8日のECB理事会ではQEの見直しに関して協議するとある。20日はQE縮小が期待され失望したが延長もなく、ドラギECB総裁はマイナス金利に伴い金融業界のコストが増大している現状を認識という。

20日のECB理事会の翌日から1.0850をボトムに下げ止まり、ユーロ圏の景況感・業況感は強く底堅い中で、クリントン氏のメール疑惑再発ショックで、リスクヘッジの動きもあり1.0850~1.0950のレンジの上限を上抜けし新たな水準に入っているが、こちらも週明け以降のショックの度合いで大きく変化することで予想レンジは難しい。


◎GBPUSD【予想レンジ 1.2100~1.2400】

クリントン氏のメール疑惑再発ショックのドル売りにも、リスクオフの売りに上昇力は鈍い通貨ペアで、主要国通貨でドル売りが加速する中でどうしても弱さが目立つ。現時点では、ブレグジットにも予想外の悪影響はみられず、最近の景況感や成長も強いが、年末に向けた潜在的なリスクなのかGBPUSDの上昇力は鈍い。

カーニーBOE総裁(議会証言)は、金融政策の決定にポンド安を考慮とある。11月3日の金融政策委員会はポンド安に議題となることは確実で、資産買い入れ枠の据え置くことが予想されており極端なはポンド安も考えにくく、四半期インフレレポートを注目。


◎AUDUSD【予想レンジ 0.7550~0.7750】

AUDの金利の優位性と原油価格の上昇に期待していたが、原油価格も続落し10月20日の0.7730台をピークに0.7600台まで値を下げ、結局は0.75~0.7750のレンジを抜け出せず、市場の期待を裏切る結果となっている。

クリントン氏のメール疑惑再発ショックのドル売りに、原油価格は下落しリスクオフの流れにAUD買いは限定的。OPEC専門家会議は減産合意で物別れに終わるも、11月30のOPEC総会に向けて期待感は残り、1日の豪中銀の金融政策で金利が据え置かれ、市場の追加緩和期待が払しょくされれば、買いの流れがやや強まることも期待できる。


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