2016/10/16

今週の注目材料(10月17日~21日)


今週の注目材料(10月17日~21日)

相変わらずで恐縮ではありますが、11月2日、12月14日のFOMCへ向け、利上げ期待度がどこまで高まるのでしょうか? FOMC議事録や否定的な意見はあるものの、多数の要人発言ではその期が熟しているように感じられてなりません。

今週は、主要な米経済指標(米CPI+中古住宅販売+景気先行指標)とベージュブック、そして、中核となるフィッシャーFRB副議長+ダドリーNY連銀総裁発言がポイントとなりそうです。また、米大統領選前の最後の討論会(12日・日本13日)では、サプライズが無ければヒラリー氏優勢で終わると思いますが、それも、市場は織り込み済みではないでしょうか?(逆の場合は影響大)

米利上げに関してですが、市場では11月は期待感は感じられず、12月の利上げ可能性を金利先物市場では69%ほど織り込み済みとなっています、また、12月はイエレン議長の記者会見も予定されており、米大統領選の結果も出ていることを考えれば、12月米利上げを予想したポジション・メークを作っている(過去形)・作ることでしょう。

先週10月11日、米アルコアの決算が予想に届かず米株は前日比200ドル超の下げで終了しています(他の要因があったのかもしれませんが)。一時株安=円高へと動いたことは記憶に新しいことで、今週も多くの米企業の決算の発表が予定されており注意が必要です。先週末14日のPモルガン・チェース、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの第3四半期決算は弱いなりにもまずまずの結果となり、やや安心していますが、これから発表される、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレー等の決算も目が離せません。

また、先週大波乱となった弱すぎる中国の貿易収支(CPIは強かったのですが)に株安+円高へと大きく変化したイメージが強く残っています。中国のGDPが予想の6.7%で落ち着くのでしょうか? 中国政府筋からは強気の発言も聞かれますが、予想値とのかい離がみられるのでしょうか? それによって株価の変動+円相場の変動が強まるリスクがあります。

最近は豪ドル高へと動いていますが、AUDはコモディティー価格の上昇に、カナダドルと共に選好されています。4日の豪中銀金融政策委員会では「金融政策スタンスを維持することが、持続可能な経済成長およびインフレ目標の達成と一致していると判断」とあり一時豪ドル買いとなったこともありましたが、豪中銀議事録、豪雇用統計とロウ豪中銀総裁講演と、AUDUSD+AUDJPYにとっては目が離せないイベントが多く予定されています。

英国発では、英CPI+雇用統計と、EU首脳会議を注目しています。ハードブレグジットにGBPUSDは何処まで下落を続けるのでしょうか? 今週の経済指標が予想外に強く、一時的にGBP買いが強まっても本質が変わらない以上、トレンドの変化は期待できそうにありません。

ユーロ圏では、ECB理事会+ドラギECB総裁記者会見が最も注目度が高いと思われますが、EU首脳会議も気になる材料と考えます。ECBは2017/3月末で予定している月間800億ユーロの資産買い入れを変更するのでしょうか? 市場は12月8日に何らかのアナウンスがあることを期待しており、今回は予想外のことが無ければ、無事にパスすることでしょう。それよりも、GBPUSDに続き、EURUSDの弱さが目立ち、ボトム水準を決めかねていることが問題です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【金融政策】
豪中銀議事録(10/18)
カナダ中銀金融政策(10/19)
地区連銀経済報告書(ベージュブック)公表(10/19)
ECB理事会・ドラギECB総裁記者会見(10/20)

【経済指標】
米CPI(10/18)
NZCPI(10/18)
英CPI(10/18)
中国GDP(10/19)
英雇用統計(10/19)
豪雇用統計(10/20)
米景気先行指標(10/20)
米中古住宅販売件数(10/20)
カナダCPI(10/21)

【米企業決算】
バンク・オブ・アメリカ(10/17)
ゴールドマン・サックス(10/18)
モルガンスタンレー(10/19)

【要人発言】
黒田日銀総裁(10/17)
フィッシャーFRB副議長講演(10/17)
ロウ豪中銀総裁講演(10/18)
ダドリーNY連銀総裁講演(10/20)
黒田日銀総裁(10/21)
その他、FRB理事+連銀総裁発言も多い

【その他】
米大統領選第3回討論会(10/19・日本時間20日)
EU首脳会議(英国を除く27か国)(10/20~)


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※