2016/10/08

2016年10月8日(土曜)7日、海外市場の動き

2016年10月8日(土曜)7日、海外市場の動き

日米3連休前の金曜日、米雇用統計の結果的な評価は複雑で、円+ユーロ買いへ。

原油価格はロシアが減産合意に否定的との見方に49.57ドルへと低下。米株は小幅下落、米10年債利回りは小幅低下、2年債は0.8496→0.8301へと低下。

米雇用統計は失業率は若干増加し悪化、非農業門雇用者数は弱かったが前月は大幅に上昇修正。平均労働時間+平均時給+週平均労働時間+労働参加率は若干増加と、強弱混在。

積極的にドルを売る数字でもなく要因は複雑。①週末日米ロングウィークエンド前、②G20、③米大統領選第2回TV討論会を控え、④「ハードブレグジット」の懸念にポンド急落の大変動の影響を受けたと思われる。

市場の反応は通貨間で異なり、連銀副総裁+地区連銀総裁のハト派発言にも、積極的なドル買いは見られず、主にポジション調整色が強い。

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USDJPYは、早朝の104円台を高値に、米雇用統計直後は、103.20台から103.90台へ上下変動するも、アジア市場のGBPJPYの急落から続く、クロスで円の買戻しが主要国通貨で広まり、22:30時の米株スタート地点では一時102.80台まで急落。戻りも103.50近辺で終盤にかけ再び102.80台へ値を下げ、円ショートの巻き戻しで円高の流れへと変化している。

EURUSDは、ショイブレ独財務相が「ECBの超緩和的な金融政策」を再度批判する中、ドラギECB総裁+ビスコ・イタリア中銀総裁は、ECBの金融引き締めを否定。米雇用統計の直後は1.1110台~1.1160台で上下変動するも、EURGBPの上昇の影響も受け1.1200台まで上昇。欧州クロージングタイム近くでは一時1.1150近辺まで値を下げるも、終値ベースでは高値近辺の1.1200近くまで再度値を戻している。

AUDUSDは、GBPの急落の影響も鈍く、AUDJPY売りの影響も比較的鈍く、安定した動きとなっている。米雇用統計を受けだドル売りに0.7570台→0.7620台へと急進するも、EURAUD+AUDJPY等のクロスの影響や、原油価格の下落の影響を強く受け、0.7550台まで急落。しかし、終盤にかけ0.7580台へ値を戻し、結局は振出へ逆戻りで前日比では大きな変化は見られず。


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米雇用統計: 
失業率:5.0%(予想4.9% 前回4.9%)、
非農業部門雇用者数=前月比15.6万人(予想17.5万人 8月15.1→16.7万人、7月27.5→25.2万人)、
週平均労働時間=34.4(予想34.4 前回34.3)、
労働参加率=62.9%(予想 前回62.8%)、
時間当たり賃金=0.2%(予想0.2% 前回0.1%)、25.79ドル(予想 8月25.73ドル、7月25.7→25.71ドル)、
平均時給=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比2.6%(予想 前回2.4%)

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ドラギECB総裁=G20で、ユーロ圏経済が着実に回復するまで金利を低水準に抑える方針を説明し、ECBが金融引き締めを行うとの憶測は誤り。欧州で新たな銀行危機は発生しておらず、銀行セクターの支払能力に問題はない。

ビスコ・イタリア中銀総裁=永遠にマイナス金利を続けることはできないが、ECBは必要があればマイナス金利を続け引き締めの話はない。

ジョージ・カンザスシティー連銀総裁=9月の雇用統計には勇気付けられた、米経済は完全雇用に近づいている。

フィッシャーFRB副議長=9月の米雇用統計について、雇用創出のペースは失業の継続的な低下と完全に整合的なものとなっている。理想。的な「ゴールディロック」的な結果だった。

フィッシャーFRB副議長=成長はかつて正常だと考えられていた水準には近づいていない。失業率を押し下げるという点で非常に効果を発揮した政策と、GDPの非常に低い成長率との差異が、経済が抱える問題だ。

メスター・クリーブランド連銀総裁=9月の米雇用統計を受け、米経済指標はFRBが利上げを検討するのに整合性が取れている。FOMC声明は経済状況の変化を焦点を合わせる傾向があり、短期的な見方を助長する可能性がある。

イタリア国債利回り上昇=12月4日に憲法改正の是非を問う国民投票が意識され、ムーディーズがイタリアソブリン格付けを見直す可能性への警戒感が強まる。

ショイブレ独財務相=ECBの超緩和的な金融政策を再度批判し、新たな金融危機発生の可能性を排除できない。

ショイブレ独財務相=世界的な過剰債務と超緩和的な金融政策という2つの問題は、対処が必要なリスク要因である可能性がある。

GBPUSDの「フラッシュ・クラッシュ(瞬時の急落)」でカーニーBOE総裁は、BOEはBISに調査を要請。BOEも調査中。アジア市場の午前8時過ぎに、GBPUSD1.2600→1.1378(ロイターディーリング)、1.1491(取引を訂正後)、1.1899 または 1.1841(市場の実際の取引の安値はバラバラ)

インプライド・ボラティリティに基づくブルームバーグの予想モデル=GBPUSDが1年以内に1.0になる可能性は7日時点で3.2%→約7%へ急上昇。

原油価格(WTI)50ドル割り込む=ロシアは9月に決定した減産の履行方法で合意に否定的。

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