2016/10/23

今週の相場を考える(10月24日~28日)

今週の相場を考える(10月24日~28日)

米大統領選TV討論会はクリントン氏が市場の期待通り、次期米大統領の座に一歩近づいて終わった。11月8日の本選を待たねば最終的な結果は出ないが、「クリントン勝利=経済政策の安定」の御旗の下に市場参加者はドル高支持を強め、今週末の米第3四半期GDP・速報値は良し悪しつけ変動要因。

最新のCFTCのIMMポジションからは通貨ショートが急拡大し投機的なドル買いが増加している。ポジションは、円のロングは急減し、ユーロのショートは拡大、ポンドのショートは減少気味。オプションのリスクリバーサルから、円コールとユーロプットは低下気味で、ポンドプットと豪ドルプットにはあまり変化が見られない。

英国はハードブレグジットのリスクは払しょくできず、潜在的な売り圧力は消えず、ユーロ圏は金融不安が解消できず、期待のQE縮小もなく追加緩和の思惑は消えずEURUSDは安値を更新中。円は官民挙げての株高政策に株高=円安期待は消えず。

今週は10月31日(月曜)は残っているが、月末の手当てやポジション管理から見れば実質的に10月最終週となる。また、来週のことで恐縮ながら、11月1日の「日銀、豪中銀」、11月2日の「FOMC」、11月3日の「BOE」と主要国で金融政策の発表が相次いでおり、今週は特に週後半でその思惑に相場が強く影響を受ける週となっている。

米国発の経済指標、特に米耐久財受注やGDPで想定外の結果や、米株の急変でもならなければ、為替相場の動きは鈍くなることが予想されるが、逆に言えば、今週のリスクにもなっている。

米金利も7月上旬の安値から大幅に値を戻し、NYダウは18500ドルの壁に遮られてはいるも、18000ドルをボトムに何とか踏みとどまっており、11月のFOMCは米大統領選前でFOMCは利上げを決定することはないと予想している。短期的には企業決算に左右されながらも、米株は底堅い動きが予想され、結果として円相場への影響も大きくなることが予想される。

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【通貨ペア別のレンジ予想】

◎USDJPY【予想レンジ 103.00~105.00→106.50】
100~105円のレンジに収まるのか? 102.50~108円の新たなレンジに変化するのか? 今週のテーマも先週と変わらず。日経平均株価も1万7千円台の大台を上抜けし、株高=円安の方程式が続く。米大統領選でクリントン氏が有利との材料も潜在的なドル高期待を強める要因となっているが、米株と米金利の動きには注意が必要。

◎EURUSD【予想レンジ 1.07500~1.1050】
続落し7か月振りの安値1.0883で終了。週終値ベースでは1月29日の週1.0792以来の安値へ。ECB理事会では一時期待されたQE縮小もなく、QE延期の可能性発言に再びEU売りへ。経済指標はそれほど弱まっているとは思えないが、第4四半期の成長見通しは弱きで、12月のECB追加緩和期待が残り、売り圧力は止まらず。EURGBPも売りへと変化し戻り売りの流れは変わらずながら、短期的には良い水準近くへと値を下げ、月末の要因が加われば、動きが鈍くなる可能性も。

◎GBPUSD【予想レンジ 1.2000~1.2400】
ハードブレグジット→ソフトブレグジット期待にやや収まったGBPR売りの流れも、EU首脳会議で正式表明まで単一市場への参加への話し合いもできず、EURUSDの下落の影響を受け、潜在的な売り圧力が残っている。ただ、EURGBPの影響をは思えるが、先週のEURUSDの下落に反して、安定した値動きや月末の要因が加われば、相場が安定し底堅くなる可能性も。

◎AUDUSD【予想レンジ 0.7550~0.7750】
0.7800の大台は鉄壁!弱い豪雇用統計に流れはAUD売りへと急変。原油価格の高止まりに反して、弱い経済指標に上昇したUSDCAD(カナダドル売り)の影響もあるのか、予想外に弱い豪ドル。今週は、26日の豪CPIが波乱要因で、先週の弱い豪雇用統計から始まった、売りがさらに加速するのか、それとも、反転するのか注目したい。


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