2016/01/03

今週の為替相場を考える(1月4日~8日)

今週の為替相場を考える(1月4日~8日)

さあ、2016年がスタートしました。

クリスマスや年末年始と休日が続き、相場を前向きにとらえる機会が少なかった市場参加者は多かったと思います。日本では天候の恵まれ危惧されたテロ攻撃もなく、1月4日(月曜)から一斉にスタートラインに立ちます。

過去の教訓ですが、年末直前の値動きだけを判断して、年始直後の相場を考えると痛い目にあることが多くあります。そのため、年初の一週間は取引を手控えることが多かったのですが、今年もそのセオリーが生きるのでしょうか? 

相場感はテクニカルや過去の動きの影響を強く受ける傾向にあります。2016年、年初の為替相場は、昨年末と同じ、米追加利上げの可能性とその時期や、中国・新興市場国経済の行方、原油価・国際商品価格の動向などの材料からスタートとなることでしょう。

円高の動き続きは別格として、通貨間で差はありますが、基本としてはどこまでドル高が続き、進むのでしょうか? その動きを見極める一週間になりそうです。

それに先立ち、昨年末(先週31日)ぎりぎりで、恒例の年始相場を見越したJPYロングとGBPショートが目立ち、週明けにもこの方向へ動かそうとする圧力が続く可能性も意識する必要があります。

CAD は売り圧力は弱まっていますが、原油価格との連動性は変わらずで、不透明な原油価格に通貨カナダドルの強さを感じることはできません。原油価格は34ドル を安値に何とか下げ止まってはいますが、36~38ドルのレンジから抜け出せず、次の方向性を確認する必要があり、それまでは、積極的なCAD買いを望めそうにはありません。

※※※※※※※※※※※※※※

ドル相場

新年早々に、新たな材料へと変化すること思えず、昨年末から継続している米国の継続的な利上げ期待(一部では利上げ停止や利下げ再開など過激な観測記事もありましたが)、緩やかな利上げ傾向は変わらずと判断しています。

今週は米国発の材料では、貿易収支、FOMC議事録、雇用統計が発表されます。特に、FOMC議事録は歴史的な利上げを決定した12月16日のFOMCだけに、今後の追加利上げのタイミングを占う重要な議事録となっています。

また、米貿易収支では、ドル高の影響が米貿易収支にどのくらい悪影響を与えているのか結果を見守る必要があり、米雇用統計では、いつもながら、非農業部門の雇用者数、時間当たり賃金の伸び率で、ドル相場が大きく変動するリスクを抱えています。

※※※※※※※※※※※

【EURUSD 予想1.0800~1.1000】
今 までと変わらず大枠で1.08~1.10の200pipsのレンジ相場が続く可能性が高くなっています。昨年末は年末の特殊要因によるEURGBPの変動 や、GBPUSD売りの影響も受け、原油価格の下げ止まりによる新興国市場のリスクヘッジ通貨の売りに、1.09を割り込んではいます。しかし、 1.0800の壁は大きく、この水準を割り込むまでは、戻り売り相場で対応が必要。

【GBPUSD 予想1.4650~1.4900】
売りの圧力止まらず。米国に次ぐ利上げ期待は影を潜め、EU離脱を問う国民投票の早期開始の可能性や世論調による離脱支持率の増加も影響し、 GBPUSD1.4850を割り込み、GBPロングの調整が続いています。昨年4月の上昇開始の水準近くまで値を下げ、テクニカルでは戻り売り傾向が続いていますが、1.46でダブルボトムになる可能性も意識。

【AUDUSD 予想0.71500~0.7400】
0.6900、 0.7100と底値を切り上げ、12月上旬の0.7380を超えることができるか?NZDUSDの上昇の影響も受けながら、商品価格は12月中旬をボトムに値を戻す 動きが続き、AUD買いが続いています。0.7400を試す動きを期待するも、原油価格や商品価格、中国経済との連動性が高いため、一機に流れが変化する 可能性も注意。

【USDJPY 予想119.50~121.00】
120円の大台をどのように試すのか? クロスで円高が 強まっている影響もあり、テクニカルベースでUSDJPYの上値は重く、引き続き120円の大台割れを試す動きが予想されます。上値も先々週の 121.50円、先週の120.70円と切り下がり、商品価格やクロスでの円高の動きや、実需ベースの円売り圧力の有無によっても変わってきますが、 119.50~70円の水準を試す動きも期待。

※※※※※※※※※※※